バグダッド・カフェ | 心がまるくなる
砂漠に表れたオアシス的映画
『バグダッド・カフェ』(Out of Rosenheim/1987/西ドイツ・アメリカ)
監督:パーシー・アドロン 出演:マリアンネ・ゼーゲブレヒト、CCH・パウンダー、ジャック・パランス、クリスティーネ・カウフマン
一生観ていきたい。
GYAO!で無料配信されていたので10年ぶりくらいに鑑賞。以前観たときは、淡々としたストーリー展開と情景の美しさが印象に残る物静かな映画というイメージでしたが、観直してみるとクスリと笑える箇所も多くて、気付けばニコニコして心が丸くなるような映画でした。年を重ねて、ジャスミンやブレンダの苦悩や寂しさに共感できるようになったのかもしれない。次に観るときはまた印象が変わるのかな。一生観ていきたい映画です。
あらすじ:砂漠のさびれたカフェに謎のドイツ女がやってきました。
ドイツのローゼンハイムから旅行にやってきたジャスミン(マリアンネ・ゼーゲブレヒト)は、ラスベガスへの道中で夫(ハンス・シュタードルバウアー)と喧嘩になり、ひとり車を降りてしまいました。歩いて辿り着いた先は、モーテルとガソリンスタンドを併設したさびれたカフェ。ジャスミンは、その”バグダッド・カフェ”で部屋を借りて生活を始めることに。女主人のブレンダ(CCH・パウンダー)はいつも不機嫌で、ジャスミンのことも信用していませんでしたが、ジャスミンの優しさと朗らかな人柄に徐々に心を許すようになっていきます。
- 砂漠と青空のコントラスト
- 変人揃いの登場人物
- 『Calling You』をしっとりと聴く
以前わたしが観たのは『完全版』で、今回観たのは2008年にリリースされた『ニュー・ディレクターズ・カット版』。カットの色と構図を調整し直したそうですが、一番おおっ?と思ったのは冒頭のタイトルが原題になっていたこと。青字で可愛い飾り文字になっていて、それがすごく良かったです。(『BAGDAD CAFE』は海外公開用のタイトルだったんですね。)
全体的にフィルタがかったような映像や黄色と水色の対比だったり、色が綺麗な映画です。ジャスミンとブレンダの再会のシーンでも、砂漠と青空のコントラストがとっても美しいです。広大でのびのびとした映像に癒されます。
おすすめのサントラにも挙げましたが、BGMが良いです。特にテーマ曲の『Calling You』は、様々なアーティストにカバーされ続けている名曲!『バグダッド・カフェ』といえば『Calling You』というほど、物語に深く溶け込んでいます。じんわりと心に染み入ってくる歌声を聴きながら浸る、エンドロールの余韻もたまりません。
[Photo: © 2008 KINOWELT INTERNATIONAL GmbH]
イラクじゃなくてラスベガスの近くにあるカフェ。
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