CINEMA MOND【シネマモンド】

おすすめ映画とDVD。フランス映画好き。

おすすめ映画とDVD*CINEMA MOND【シネマモンド】

フランス映画社「BOWシリーズ」から好きな映画を紹介するよ

フランス映画社が破産してしまった

去年だったか、フランス映画社が差し押さえを受けたというニュースを読んでびっくりした記憶があります。それからそのことは忘れていたのですが、とうとう破産のニュースが…。ミニシアターがひとつなくなる度に感じてきた悔しさと寂しさと同じものを感じますね。ほんと悲しい。

フランス映画社の配給する映画は、芸術性の高い映画が多かったです。しかし近年の流行としては、娯楽性の高いハリウッド映画や邦画の方がお客さんが集まるということなんでしょうね。実際に日本の商業映画はここ10年くらいで表現の幅も広がって面白くなっていると思います。それと並行してミニシアター系映画はどんどん減っていってる気がしますけど。

映画って商業(娯楽)であると同時に芸術でもあると思うので、こういうニュースを聞くと危機も感じます。マイノリティーが排除されていく運命なら、いずれ文化は画一化されてしまうのでは。音楽や小説など他の分野と比べて、映画ってまだまだマジョリティーの強い世界で悔しい。

BOW

ところで、フランス映画社の「BOWシリーズ」というレーベルには良質な映画が揃っていました。ゴダールジャームッシュクラピッシュも!わたしが映画を好きになったきっかけはこのへん(50〜90年代のヨーロッパ映画)にあるので、本当お世話になりました。というわけで「BOWシリーズ」から一部好きな映画を紹介します。

アンダルシアの犬』(Un Chien Andalou/1929/フランス)
監督:ルイス・ブニュエル 出演:ピエール・バチェフ、シモーヌ・マルイユ

ルイス・ブニュエルサルバドール・ダリによるシュールレアリスムの実験的ショートフィルム。イメージの断片であり、ストーリーというものはないです。15分程度の映画ですがトラウマになりそうな衝撃。日本で公開されたのは1965年?調べたけどよく分かりませんでした。フランス映画社はブニュエル作品も多く配給してるんだけど、まだ見たことなかったなぁ。


大人は判ってくれない』(Les Quatre Cents Coups/1959/フランス)
監督:フランソワ・トリュフォー 出演:ジャン=ピエール・レオ、パトリック・オーフェー

ヌーベルヴァーグの代表作であるトリュフォーの傑作。少年の繊細な感情が痛い。フランス映画社が配給したのは、おそらくリバイバル上映時かな。


勝手にしやがれ』(À bout de souffle/1959/フランス)
監督:ジャン=リュック・ゴダール 出演:ジャン=ポール・ベルモンド、ジーン・セバーグ

ゴダールのデビュー作。1978年のリバイバル上映時に配給。こういう映画が商業的に成功していた時代って良い時代だよなぁ。
(感想→勝手にしやがれ | ザ・ヌーヴェルヴァーグ


気狂いピエロ』(Pierrot Le Fou/1965/フランス・イタリア)
監督:ジャン=リュック・ゴダール 出演:アンナ・カリーナ、ジャン=ポール・ベルモンド

わたしにとってこの映画は鮮烈な体験でした。1983年のリバイバル上映時に配給。
(感想→気狂いピエロ | 男と女、刹那と永遠


ウイークエンド』(Week-end/1967/フランス・イタリア)
監督:ジャン=リュック・ゴダール 出演:ジャン・ヤンヌ、ミレーユ・ダルク、ジャン=ピエール・カルフォン

ぶっ飛んでます。ちょっと前に見返しましたが、感想を言葉にするにはまだまだ時間がかかりそうです。2002年のリバイバル上映時に配給。そのとき劇場で観ました。その映画館も今はなくなってしまった。


白夜』(Quatre Nuits D’Un Reveur/1971/フランス・イタリア)
監督:ロベール・ブレッソン 出演:イザベル・ヴェンガルテン、ギョーム・デ・フォレ

これも初公開はフランス映画社配給だったのか!去年リバイバル上映されていたので、わたしはそこで観ました。感想はまた改めて書くとして、このリバイバル上映には素敵な逸話がありました。昔パリで見たこの映画が忘れられないという、ある個人の方の熱意と努力で国内上映までこぎつけたそうです。ビデオ化すらされていないので、上映されなかったらこの映画の存在を知ることもなかったでしょうね。感謝。
(感想→白夜 | 恋に揺れる四夜の出来事

ダウン・バイ・ロー』(Down by Law/1986/アメリカ・西ドイツ)
監督:ジム・ジャームッシュ 出演:トム・ウェイツ、ジョン・ルーリー、ロベルト・ベニーニ

ベニーニが最高ですね。映像も音楽もかっこいい。


ナイト・オン・ザ・プラネット』(Night on Earth/1991/アメリカ・イギリス・フランス)
監督:ジム・ジャームッシュ 出演:ウィノナ・ライダー、ロベルト・ベニーニ、ベアトリス・ダル

キャストが好き!二十歳のウィノナ可愛すぎます。


デッドマン』(Dead Man/1995/アメリカ)
監督:ジム・ジャームッシュ 出演:ジョニー・デップ、ゲイリー・ファーマー、ランス・ヘンリクセン

美しいモノクロ映像と独特の間が印象的。ジョニー・デップのへんてこな役の中でも上位で好きだな。


猫が行方不明』(Chacun cherche son chat/1996/フランス)
監督:セドリック・クラピッシュ 出演:ギャランス・クラヴェル、ジヌディーヌ・スアレム、オリヴィエ・ピィ

猫が行方不明になります。うちの猫の名前はこの映画に出てくる黒猫・グリグリが由来です。


百貨店大百科』(Riens du tout/1992/フランス)
監督:セドリック・クラピッシュ 出演:ファブリス・ルキーニ、ジャン=ピエール・ダルッサン、ピエール・オリヴィエ・モルナス

1992年製作のクラピッシュのデビュー作だけど、日本公開は『猫が行方不明』よりも後の1997年。クラピッシュお得意の群像劇です。


LINEで送る
Pocket

 - 特集 ,

  こちらもおすすめ