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キャピタリズム〜マネーは踊る〜 | 資本主義が悪いのか

社会派ドキュメンタリーでありながらエンターテイメント

キャピタリズム〜マネーは踊る〜

キャピタリズム〜マネーは踊る〜』(Capitalism: A Love Story/2009/アメリカ)
監督:マイケル・ムーア 出演者:マイケル・ムーア、他

資本主義社会下において、お金以外の価値観とは。

タイトルの通り「資本主義(キャピタリズム)」をテーマにした、マイケル・ムーアのドキュメンタリー映画です。資本主義の善悪はさておき、エンターテイメントとして面白かった!独特のユーモアを交えた作風で、記録映像や引用も多く用いた切り貼り映像と、忙しいほどのテンポの良さにはぐいぐい引き込まれます。しかし客観的に観てる分には楽しめるけど、こんなことが日本の未来にも起こりうると思うとこわいな。

キャピタリズム〜マネーは踊る〜


見どころ
  • アメリカの資本主義社会ここまできちゃってるの!?
  • マイケル・ムーアってアメリカ国民に煙たがられてるんだなぁ…
  • 娯楽としておもしろい

この映画で描かれるのは、「持つもの」と「持たざるもの」です。資本主義によって、貧富の差が拡大し続けるアメリカ。お金のためなら、冷酷に、無慈悲になれる者たち。そこにモラルはありません。例えば、いくつかの大手企業が従業員に内緒で生命保険をかけている実態が暴き出されていました。たくさんの従業員に手当たり次第に保険をかけ、従業員のひとりでも病気や事故で亡くなったらラッキーということでしょうか。遺族は葬儀代を出すのにも苦労している横で、企業は平然と多額の保険金を受け取っているわけです。しかも遺族に内緒で。

この映画は、資本主義によって倫理や道徳が失われると警告しています。極端ではあるかもしれませんが、確かにその可能性は感じます。自由の怖さというやつですね。

しかし逆に、お金は二の次で働いている人たちもいます。パイロットです。アメリカのパイロットの給料の低さには驚きました。1年目の年収は、2万ドル以下。マクドナルドのバイトよりも安いというその給料で、みんな借金を抱えて、アルバイトをしながらパイロットを続けているのだそうです。

お金というのは、価値観の軸のひとつであって全体ではないと思います。しかしこの不況下で、”お金”という軸を中心に考えざるを得ないような考え方が加速していってるのかもしれません。うーん。確かに何かを選択する上で、”お金”というのはとても明快で分かりやすい軸だけど、それを含めて自分は何を基準に選択していきたいのかを考えさせられました。

[Photo: © 2009 Front Street Productions, LLC.]

お金のことを考えなくて良い程度にお金持ちになりたいです。

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