クリスチーネ・F | 堕ちていく美少女
麻薬に溺れていった実在の少女のはなし
『クリスチーネ・F』(Christiane F. – Wir Kinder vom Bahnhof Zoo/1981/西ドイツ)
監督:ウルリッヒ・エデル 出演者:ナーチャ・ブルンクホルスト、トーマス・ハウシュタイン、イェンス・クーパル、クリスチアーヌ・ライヒェルト、デヴィッド・ボウイ
物語は救いようがないけど…
こちらでも紹介しましたが、主役の女の子が美少女で魅力的でもある映画です。(物語上)麻薬のせいでクマだらけで傷だらけで髪に艶はなくなってひどい顔になっていくのですが、それでもなお美しいからすごい。少女がヘロイン中毒になっていくという内容はハードだけど、エピソードが淡々と並べられる構成はわりにドライな後味。そうすることで無関心な社会(そういう時代感)そのものが表現されているのかもしれません。哀しくて救いようのない物語だけど、実在のクリスチーネが更正してこの原作を執筆したという事実に救われます。ほんもののクリスチーネも美人。
あらすじ:少女が麻薬に溺れていきます。
クリスチーネ(ナーチャ・ブルンクホルスト)の母親(C・レハル)は、離婚して恋人とばかり過ごしていたので、クリスチーネは孤独を感じていました。そんな中、彼女はディスコに出入りするようになります。そこにはヘロイン中毒者溢れていて、そのうちの一人デトレフ(トーマス・ハウシュタイン)という少年と出会います。彼らと付き合う中ではじめはLSD、それからヘロインを経験し、次第にヘロインを買うお金を稼ぐために体を売るようになり、もう引き返すことは不可能でした。
- ナーチャ・ブルンクホルストの美貌
- クリスチーネの完璧な微笑み
- デヴィッド・ボウイのライブシーン
強い眼差し、ロングヘアーに厚い唇、気怠い表情にそこはかとなく漂う色気…クリスチーネ役のナーチャ・ブルンクホルストの美貌にやられました。彼女をはじめとしたこの映画のキャストの少年少女たちは素人だったそうです。また、撮影はベルリンの実在のロケーションで行ったそうで、ドラマチックというよりはリアルで淡々とした雰囲気があります。
終始無表情なクリスチーネが(おそらく)唯一微笑みを浮かべるシーンがあります。地下鉄のプラットホーム、公演を知らせるデヴィッド・ボウイのポスター。偶然見つけたそのポスターに向かって彼女は天使のような微笑みを向けるのです。穏やかなその表情はとても美しく完璧で、畏怖すら感じます。
その後、彼女は仲間たちとそのコンサートへ行くのですが、最前列で表情を変えずにデヴィッド・ボウイを睨みつけるシーンも良いですね。このライブシーンのためだけにでもこの映画を見る価値はあると思います。かっこいいので必見です。
[Photo: © 1994 Solaris Filmproduktionsgesellschaft mbH.]
痛いシーンが多いので苦手な人は注意です。
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