勝手にしやがれ | ザ・ヌーヴェルヴァーグ
50’sのパリの街並みが堪能できるゴダールのデビュー作
『勝手にしやがれ』(À bout de souffle/1959/フランス)
監督:ジャン=リュック・ゴダール 出演:ジャン=ポール・ベルモンド、ジーン・セバーグ
デビュー作からゴダール節炸裂!
もうすぐゴダールの新作が公開されるのが楽しみです。しかも3D!まったく想像がつかないけど、きっとゴダールのことだから3Dも面白い使い方をしてくれるんじゃないかと期待が膨らんでます。そんな彼のデビュー作がこちら。この映画、色々と実験的なことをやっています。今でこそそんなに驚かないけど、当時はさぞ斬新だったんだろうなぁ。
あらすじ:パリで男と女がいざこざあります。
自動車泥棒のミシェル(ジャン・ポール・ベルモンド)は、マルセイユで盗んだ車でパリに向っている途中で、追いかけてきた白バイ警官を射殺してしまいます。パリに着いたミシェルは、刑事の尾行をまきながらパトリシア(ジーン・セバーグ)に会いにいきます。
- ベルモンドとセバーグが素敵
- 50’sのパリの街並みを堪能
- 独特のスピード感のある映像
ロケ撮影、同時録音、即興演出などの手法を始めたヌーヴェルヴァーグの代表的な映画です。といっても今観てもあまり斬新さは感じられないかな…。それよりも普通に素敵なキャストと街並みを堪能できます。
ルパン三世のモデルである若き日のジャン・ポール・ベルモンド(ルパン三世のキャラクターデザインは、『リオの男』のベルモンドを参考にしたと言われています。)のしなやかな身のこなしがとてもかっこいいです。細身で猿顔という外見だけでなく、女好きで能天気という内面までまさにルパン!そして、ヒロインのジーン・セバーグ。ベリーショートヘアーがキュートすぎる!パリの街並みを歩く2人の姿が、最高におしゃれでかっこいいんです。
ジャンプカット(画面の連続性を無視してショットを繋ぐこと)を使った独特のスピード感は、この映画の面白さであると同時に、ストーリーを分かりにくくさせたりもして賛否両論だったりします。この映画は、それ自体というより後世への影響という意味で功績のある映画かもしれません。ゴダール初期作品としては、わたしは『女と男のいる舗道』とか『女は女である』の方が好きです。しかし、デビュー作からゴダール節炸裂っぷりは面白い。
[Photo: © 1959 StudioCanal – Societe Nouvelle de Cinematographie.]
タイトルのインパクトもグッド。