娚の一生 | 冷静に恋をする
官能的なラブストーリー、かと思いきや意外とほのぼの人間ドラマ
『娚の一生』(2015/日本)
監督:廣木隆一 出演者:榮倉奈々、豊川悦司、向井理、安藤サクラ
ご飯が美味しそうでした。
試写会で観ました。公開は2/14からです。
「足キス」で話題になっていたので、官能的なのを想像していましたが、官能的と呼べそうなシーンはまさにその「足キス」のシーンだけでした。普通のキスシーンもありません。ただ、そのシーンの描写はけっこうエロかったです。(感じ方には個人差がありそうだけど。)トヨエツって直接的なラブシーンよりも、手の仕草とか目線に色気がありますよね。榮倉奈々ちゃんの表情にもドキドキしました。前の席にちびっ子が座っていたので、違う意味でもドキドキしました。全体的には、わりとほのぼのした田舎暮らしの人間ドラマとして楽しめました。脇役含めて会話が面白く、けっこう笑えます。
あらすじ:田舎で見知らぬ男性と同居生活が始まりました。
東京のIT企業で働いていた堂薗つぐみ(榮倉奈々)は、田舎に帰って祖母の家で休暇を過ごしていましたが、入院中の祖母は亡くなってしまいます。祖母の葬式のあと、彼女の前に見知らぬ初老の男性(豊川悦司)が。彼は大学の教授で、生前の祖母から離れの鍵を託されていたと言います。彼はそのまま離れに居着いてしまい、ふたりの奇妙な同居生活が始まりました。
- ご飯が美味しそう
- 安藤サクラはとくに良かった
- 足キスシーンは好みによる
大きなストーリーのなかに小さなストーリーがいくつも内包されていたので見応えがありました。徐々にふたりの距離が近づいていくのが丁寧に描かれています。個人的には、恋愛の前に生活があるという点が面白かった。冷静に恋をする、という感じのふたりが興味深かったです。ふたりの生活を覗くのが面白いし、この映画の大きな魅力は、つぐみの作るご飯がどれも美味しそうだったことです。
出番は少ないけど、つぐみの友人役の安藤サクラが輝いていたなぁ。彼女の出演作をもっと観てみたい。『百円の恋』を見逃したのが悔やまれます。
原作は西炯子さんの漫画ですが、わたしは未読でした。観賞後に観客の女性が、「原作はもっとエロい」と言っていたので、原作はもっとエロいのでしょう。つぐみが完璧すぎて(良い娘すぎて)、本人は劣等感を感じているっぽいんだけど、映画ではあんまりそれが伝わってなかったような。原作ではそのへんどうなんでしょうね。
[Photo: © 2015 西炯子・小学館/「娚の一生」製作委員会]
デートより女同士で鑑賞するのがおすすめ。