セッション | すごい体験できました
師弟間のあれこれを描きます
『セッション』(Whiplash/2014/アメリカ)
監督:デミアン・チャゼル 出演者:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ
ラスト約10分がすごいよ!!!
肉体的にも精神的にも痛い映画でした。緊迫感のある場面の連続に、気付けば観ている間じゅうずっと拳を握っていました…。しかし、なんといっても最大の見どころはラストの「セッション」シーン!観ているのがつらくなってきてもモヤモヤしてしまっても、がんばって最後まで観てみることをおすすめします。強く。
あらすじ:ドラマーを目指す学生が教授の「厳しい」指導を受けます。
ジャズ・ドラマーを夢見る19歳のアンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)。名門校であるシェイファー音楽院で「スタジオ・バンド」を指揮するフレッチャー教授(J・K・シモンズ)に指名され、エリートばかりが集まる彼のバンドに入ることができ野心に燃えるニーマンでしたが、その指導の厳しさにどんどん追いつめられていきます。
- ラストの「セッション」のためにある映画です
- 主人公の痛みを疑似体験する
- 物語の余韻に浸りつつエンドロールを楽しむ
この映画はカメラワークも心理描写も主人公の目線を中心に描かれているので、観客は自然と主人公の「痛み」を疑似体験するような形になります。教授の指導がもはやヒステリーの域で震え上がりました…。スキンヘッドで見た目もこわいんだよ、フレッチャー教授…。なんとなく女性のヒステリーは自己保身が多いのに対して、男性のヒステリーって致命的に心を攻撃してくる感じがありますね。すべてを否定され、しゃべる隙もなく責め立てられるうちになんだかこっちが悪いような気がしてくる…という経験はわたしもしたことがありますが、かなりきついですよね。
そもそも「追い込まないと上達しない」とか「苦労しないと幸福になれない」みたいな考え方って正直よくわかりません。まあ適度なプレッシャーは感じていないとだらけてしまうだろうし、多少は苦労をした方が良いんだろうなとは思います。適度ってどのくらいかと聞かれると困るんですけど。
エンドロールが始まった瞬間、緊張の糸が切れて一気に解放された感情が涙となってぶわーっと流れてきました。映画を観て泣くことは少なくないですが、劇場を出ても涙が止まらないような映画は初めてでした。頭で理解できない(する必要のない)衝撃というか感動のようなものを体験した気分です。すごく良い体験でした。劇場であの音で体験できて良かった。
[Photo: © 2013 Whiplash, LLC.]
ぜひ爆音で。
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