しあわせのパン | とっても美味しい映画です
憧れの田舎暮らしを味わう
『しあわせのパン』(2012/日本)
監督:三島有紀子 出演者:原田知世、大泉洋、平岡祐太、森カンナ
ワイン片手に鑑賞を。
たまに再確認してハッとするんですが、食べもののパワーって本当にすごい!ちょっとやそっと落ち込んでも食べるとたちまちニコニコしてしまう、それほど美味しいうどん屋さんがあって、わたしは勝手に「しあわせのうどん」と呼んでいました。食べることは生きること、美味しい食べものって根源から元気が出てくる感じがします。ふとそんなことを思い出したこの映画『しあわせのパン』はとっても美味しい映画です。
あらすじ:夫婦で営む田舎のカフェに色々な想いを抱えたお客さんたちがやってきます。
舞台は北海道の月浦。水縞尚(大泉洋)とりえ(原田知世)夫妻は洞爺湖のほとりで、オーベルジュ式(宿泊設備を備えたレストラン)のパンカフェを営んでいます。そこへやってくるのは色々な想いを抱えたお客さんたち。彼らはカフェでしばらく過ごすうちにだんだんと癒されていきます。
- 目にも美味しい料理の数々
- 絵に描いたような憧れの田舎生活(ファンタジー)
- 短編集のようにさらっと見れます
焼きたてのパン、季節のお野菜、カボチャのポタージュ、とろりんチーズにチキンの丸焼き!美味しそうな食べもののオンパレードでため息とよだれが出ます。シンプルで清潔感のある素朴なカフェでゆっくりとドリップされる挽きたてのコーヒー。良い〜香りが漂ってくるようです。原田知世とコーヒーの相性ハンパないですね。CMのようです。
四季を通していくつかのエピソードとともに、自然に寄り添って暮らす夫婦の姿が描かれている短編集のような映画でした。この映画ではただただ田舎暮らしの素敵な側面が描かれています。毎日自由でどこのヨーロッパですかというようなおしゃれでおおらかな生活、人々の距離の取り方も心地良い。あえて田舎の厳しさのようなものは描かれていません。リアリティに欠けるかもしれませんがそこはもうファンタジーとして楽しみましょう。
それに田舎だからとかパン屋だからとかではなくて、この2人だからこそのこの生活なんだろうなぁと思います。地に足のついた丁寧な生活。彼らは何を大事にして生きたいのかを見極めています。そしてその人柄に自然と人が集まってくるんだろうな。2人の関係がすごく良い。野菜を一緒に洗うシーンとかさりげないけどぐっときますね。生半可な気持ちでは実現できない憧れを映像にしたような作品でした。ちなみにこの映画に出てくるカフェ、なんと実在するそうなのでいつか行ってみたい!
[Photo: © 2011「しあわせのパン」製作委員会]
2人の関係性の謎は小説で解ける!
こちらもおすすめ
- PREV
- ル・アーヴルの靴みがき | 世界、愛せそう
- NEXT
- 気狂いピエロ | 男と女、刹那と永遠