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トニー滝谷 | 静かに孤独をかみしめる

短編小説を「観る」

トニー滝谷

トニー滝谷』(2005/日本)
監督:市川準 出演者:イッセー尾形、宮沢りえ

孤独な夜にひとりで観たい。

東京国際映画祭で宮沢りえが最優秀女優賞受賞しましたね!『紙の月』評判が良いみたいで気になります。村上春樹の短編小説が原作のこの映画は、宮沢りえの美しさが際立っている作品です。村上春樹作品特有の温度のない無機質な感じをそのまま映像にした感じで、非常に感覚的な映画なので観るときの心理状態で感想も変わってきそう。孤独な夜にひとりで観たい。

トニー滝谷
あらすじ:ある男が”孤独”を理解していく話。

ジャズトロンボーン奏者の父を持つトニー滝谷(イッセー尾形)は幼い頃からずっと孤独でした。彼にとってそれはとくに寂しいものではありませんでした。やがてイラストレーターになった彼はひとりの女性(宮沢りえ)に恋をして結婚します。彼女は美しく優しかったけど買い物依存症でした。そしてその衣服への執着のため彼女は死んでしまう。妻の死後、トニー滝谷はまた孤独になりますがそれは寂しく苦しいものでした。


見どころ
  • 坂本龍一の音楽
  • お芝居的なカメラワークと台詞
  • 宮沢りえ美しすぎます

主人公にイッセー尾形宮沢りえは一人二役、語りに西島秀俊、音楽は坂本龍一とけっこう豪華で面白い人選。坂本龍一の音楽が映像にぴったりとマッチしていてとても良いです。宮沢りえが本当に美しくて若き日のオードリー・ヘップバーンのよう!ぱっつん前髪がかわいい。

映画なんだけどお芝居に近いような。固定のカメラワークや、語りと台詞がリンクしているようなつなぎ方は演劇の手法に近いのかもしれません。全体的に白っぽい映像で透明感があってふわっとしています。現実にあったことなんだけど遠い記憶の中で存在しているような。このへんはとても村上春樹っぽい感じが出ている気がしますね。原作ファンを裏切らない空気感になっています。

今はなきシネテリエ天神で観たのも良い思い出。地下にある小さな映画館で、いつも鑑賞後に出口の階段を上るとき現実に戻っていく感じがして好きでした。

[Photo: © 2005 WILCO Co., Ltd.]

『トニー滝谷』はこれ↑に収録されてるよ。

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