ウェイキングライフ | 夢、はたまた幻覚か
夢を見ているような新感覚アニメーション
『ウェイキングライフ』(Waking Life/2001/アメリカ)
監督:リチャード・リンクレイター 出演者:イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー、ワイリー・ウィギンズ、スティーブン・ソダーバーグ
脳がふわふわするよ。
ゆらゆらと安定しないカメラに脈絡なく切り替わる画面、まさに夢のなかを見ているようなアニメーション映画。内容が哲学的で理解しようと思うととても難しいのですが、全編を包む独特の浮遊感がなんかクセになる…!10年以上前に映画館でこの映画を観たとき、意味はさっぱり分からなかったけど何とも言えない中毒性のようなものを感じたのを覚えています。起きたまま夢をみているような気分で脳がふわふわしてきます。(ヤバい)
あらすじ:夢から覚めることが出来ません。
まるで夢の中にいるように人も物も歪んでいます。そして青年は目覚めますが、まだ夢の中にいるような状態が続きます。彼は覚醒する方法を求めて外に出掛け、様々な人に出会います。彼らは青年にたくさん問いかけます。そして彼はまた目覚めます。
- 新感覚アニメーション
- 夢のなかを見ている気分
- 不条理を楽しむ
人や物はすべて輪郭が定まらず、線がうねうねと動き続けます。音声にもノイズがかっていて電話越しに録音したみたいな声。数字も図形化していて読めないし、やはりぐにゃりと歪んでいます。実写を撮影した上からデジタルペインティングして制作されたという映像。(おそらく多大な時間がかかったことでしょう…。)実写ベースなので、通常のアニメーション的アプローチとも異なっていてまさに新感覚。
主人公の青年は何度か目覚めます。が、それも夢の中の出来事だったりして、そのうちわけが分からなくなります。一体これは夢なのか現実なのか。いろんな人が代わる代わる出てきて次々と語りかけます。その内容は哲学的でとても理解できそうにありませんが、もういいや、この夢の中に身をまかせよう…という気持ちになってきて、次第にわけわからなさが楽しくなってきます。
冒頭の女の子はローレライ・リンクレイター(リチャード・リンクレイターの娘)。時期的には『6才のボクが、大人になるまで。』の撮影が始まるちょっと前くらいかな。イーサン・ホークも出てきます。あとスティーブン・ソダーバーグ監督が本人役で出演しています。
[Photo: © 2001 TWENTIETH CENTURY FOX]
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