俺たちに明日はない | ボニーとクライド
愛嬌のある名作クライムムービー(でありながら究極の恋愛映画でもある)
『俺たちに明日はない』(Bonnie and Clyde/1967/アメリカ)
監督:アーサー・ペン 出演者:フェイ・ダナウェイ、ウォーレン・ベイティ
ふたりは運命の恋人でした。
新・午前十時の映画祭で観ました。大好きな映画だったのでスクリーンで見れて感激。伝説のラストシーンも大迫力!10年越しに観たけどやっぱりこのラストシーンの衝撃って半端ないです。心臓が捥がれるような感覚…呼吸するのを忘れてしまう。他の映画ではなかなか超えられません。死ぬまでに一見する価値のある映画です。
あらすじ:偶然出会ったクライドとボニーが犯罪を繰り返しながら逃亡します。
1930年代のアメリカに実在した銀行強盗、クライド・バロウ(ウォーレン・ベイティ)とボニー・パーカー(フェイ・ダナウェイ)の物語。ある時、偶然出会った2人は一気に惹かれ合い、行動をともにすることに。町から町に移動しながら次々と強盗を繰り返します。とあるガソリンスタンドでは店員のC・W・モス(マイケル・J・ポラード)を仲間にし、さらにクライドの兄・バック(ジーン・ハックマン)とその女房・ブランチ(エステル・パーソンズ)も加え、強盗団は5人となりました。その頃には殺人も犯し、世間でも大注目され、彼らは徐々に追いつめられていきます。
- タイトルかっこいいよね
- これは究極の恋愛映画でもある
- 伝説のラストシーン
まずタイトルが良い。原題は『Bonnie and Clyde』。宇多田ヒカルも歌っている、あのボニーアンドクライドです。声に出して言いたくなるような語感が良い。主犯はクライドなわけだけど「Clyde and Bonnie」じゃだめなんだよな。加えて邦題も良い。今を生きる彼らには明日なんてないのだ。
犯罪者でありながら運命のカップルのようなふたり。言ってみればゴダールとカリーナ、はたまたゲンズブールとバーキンのような。実際はどうだったのかわかりませんが、この映画の中のふたりは理解できない凶悪犯ではなく、非常に人間味のある普通の人たちです。感情があり、愛があり、隙もある。ケンカするし、愛に悩むし、隙がある故に殺人を重ねてしまうのです。
他の登場人物も良いキャラぞろいというか、なかなか味のある強盗団です。犯罪を犯す以外は普通の田舎の家族といった感じで微笑ましくもあります。逃走中のBGMはカントリーミュージックで暢気な気分に。ほんと愛嬌のある映画だな!
この映画といえば必ず語られるのは、強烈なラストシーン。昔の映画って長々しいエンドロールもなくスパッと終わるのでまったく余韻にも浸れない。めちゃくちゃ残酷な終わり方です。ボニーとクライドがついに本当に結ばれて幸せの絶頂というところからのあのラストシーン…バッドエンドだけど刹那的で大好きなんですよね。
[Photo: © 1968 Warner Bros. Entertainment Inc.]
超名作です。
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