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【myFFF】アビティビのゴダールを追え

ゴダール「的」を楽しむ映画

アビティビのゴダールを追え

アビティビのゴダールを追え』(Chasse au Godard d’Abbittibbi/2013/カナダ)
監督:エリック・モリン  出演者:ソフィー・デマレ、アレクサンダー・カストンゲイ、Martin Dubreuil

アンナ・カリーナ的ヒロイン。

以前紹介したオンライン映画祭『マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル(myFFF)で長編映画を鑑賞してみました。公式サイトとiTunesで観れるみたいですが、わたしはiTunesの方で鑑賞。レンタルで200円でした。(購入は800円)公式サイトの方は1作品271円となっています。ただ、長編10作品を自由に観ることができるパッケージが1,360円程度なので、たくさん観たい人はこっちがお得ですね。(ちなみに今回紹介する映画はコンペティション外なので、パッケージに含まれているのかは分かりません。)マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルは明日まで!(→第5回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル

アビティビのゴダールを追え
あらすじ:アビティビで町の人たちを撮影します。

1968年、フランスの著名な映画監督がケベック州のアビティビに撮影にやってきます。監督とともにやってきたポール(Martin Dubreuil)は、地元のライブハウスで出会ったマリー(ソフィー・デマレ)とそのボーイフレンド・ミシェル(アレクサンダー・カストンゲイ)と一緒に撮影をすることに。社会的なテーマのもと、学生や林業を営む人々、女性など町の人たちにビデオカメラを向け質問をしていきます。


見どころ
  • 60’sゴダール映画の再現
  • ゴダール的ではあるけど、ゴダールとは違う
  • 音楽がカッコイイ!

タイトルが良いですよね。ゴダールへのオマージュ作品みたいです。劇中に出てくる監督が、若い時のゴダールに見た目がそっくりです。ヒロインのマリーも、大きな瞳と挑発的な表情がアンナ・カリーナを思わせます。舞台は60年代とあって、初期ゴダール作品を彷彿とさせるようなポップな色使いも可愛い!

例えばベッドの中で本(新聞か雑誌だったかも)を読み上げたり、劇中映像のタイトルコールだったり、映画全体がゴダール「的」です。だけど、クリアでノイズのない映像やセンチメンタルな雰囲気など、ゴダール作品にはない要素があることで、ただの二番煎じ映画ではなく、オマージュ作品として成立しています。

音楽がかっこよかった!ライブハウスのシーンで演奏されていた曲がとてもかっこよかったし、BGMも全編通して印象的な音楽が多かったです。もしサントラがあるのなら名盤になりそう。後半、炭坑夫がギターで弾き語るという絵的にもインパクトのあるシーンはメッセージ性が強かったな。

わたしはカナダ映画全般に漂う静けさや潔さ、凛々しさのようなものが好きなんですが(それはカナダ人の気質によるものなのか、画面いっぱいの雪という視覚的効果から起因しているのかはよく分からないけど。)、この映画もまさにその雰囲気が感じられて好きでした。myFFF短編の方でも、コンペティション外のケベック映画が良かったし、もっとカナダ映画が見てみたい気持ちになりました。

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