ぼくの伯父さん | ユーモアとアイデアに溢れた名作
上品で爽やかなフレンチコメディー
『ぼくの伯父さん』(Mon Oncle/1958/フランス・イタリア)
監督:ジャック・タチ 出演:ジャック・タチ
単純で分かりやすく、のんきに生きたいね。
「フランスのチャップリン」と呼ばれるジャック・タチ。彼の代表作であるこの映画にはユーモアとアイデアが満載です。コメディアンとしてのタチの演技はもちろん、物語の構成やカメラワーク、美術や効果音にいたる細部まできっちりとデザインされていて素晴らしい!タチは完璧主義だったというのも納得。きっと美的感覚に優れたセンスの持ち主だったんだろうなあ。
あらすじ:のんきなおじさんがヘマしてばかりだけどみんなに愛されます。
ジェラール少年の家は噴水付きの広い庭に、キッチンはオートマチックな超モダン住宅。しかし彼にとってはそんな最先端の生活よりも、下町の古いアパートに住むユロ伯父さん(ジャック・タチ)の気ままな生活の方がずっと楽しい。パパとママは未婚で無職のユロ氏を心配してお見合いや就職を世話するけど、毎回とんでもないことになっちゃいます。
- 名作コメディーを堪能
- レトロフューチャーな建築とインテリア
- ユロ伯父さんが大好きになる!
アカデミー外国語映画賞を受賞している本作、とにかく映画としての完成度が高い!オープニングクレジットから感じるセンスの良さ。ドタバタ劇なんだけど上品でエスプリがきいているし小洒落ている。大爆笑はしないけどクスクスといった笑いが漏れる、ジャック・タチの映画にはそんな魅力があります。
そして、タチ演じるユロ伯父さんのキャラクターは強烈で愛嬌があって愛さずにはいられません!いつも帽子をかぶって丈の短いコートを羽織り口元にはパイプという出で立ちで、一言も言葉を発せずのんきにパントマイムで右往左往…。常にまわりを巻き込んで騒動を起こすもみんなからは愛される、そんなユロ伯父さん。なにも難しく考えることなく単純で分かりやすく生きたいなー、そんな気持ちになりますね。
超モダン住宅の建築とインテリアは本当にかっこいいので必見です。特にレトロフューチャー好きにはたまりません。そんなかっこいいモダンなソファを、ユロ伯父さんは倒して使って台無しにしてしまうのでアイロニックでまた可笑しい。
[Photo: © 1958 Les Films de Mon Oncle – Specta Films C.E.P.E.C.]
ユロ伯父さんだいすきだーーー。