小野寺の弟・小野寺の姉 | 歪でもまぁしあわせ
小ネタで笑えるほのぼの日常系
『小野寺の弟・小野寺の姉』(2014/日本)
監督:西田征史 出演者:向井理、片桐はいり、山本美月、ムロツヨシ
どうぞ肩の力を抜いてご鑑賞ください。
この映画って、片桐はいりと向井理が姉弟という設定でもうすでに8割くらいの面白さ持ってっちゃってると思うんですよ。いってみれば出オチですね。物語自体はわりとベタでこれといって予想外な展開もありませんが、小ネタが散りばめられているので笑えます。それぞれのキャラクターに味があって面白かったです。眼鏡屋のご夫婦や役者バカのムロツヨシなど脇役も名演でした。
あらすじ:小野寺の弟と姉が仲良く一緒に暮らしています。
小野寺の弟・進(向井理)と姉・より子(片桐はいり)は両親を亡くして以来、一軒家に2人で住んでいます。恋愛に消極的な進と自分に自信が持てないより子。不器用な2人ですが、お互いを大切に思いながら仲良く暮らしていました。そんなある日、間違って届いた郵便物を届けた先で2人はある女性に出会います。
- 小ネタ満載
- 主役も脇役もキャラが立ってる
- ちょっとレトロなファッションとインテリア
台詞回しが巧みでちょこちょこ笑えます。頭の中で台詞がリフレインして後に引く系の笑い。劇場で後ろに座っていた女子高生たちは笑いが止まらなくなっている模様でした。箸が転んでもおかしい年ごろの皆さんはお気を付けください。笑い(コメディ)と泣き(シリアス)のバランスが5:5くらいだったけど、7:3くらいでも良さそう。もうちょっとコメディー要素強めの作品を見てみたいと思いました。
ファッションやインテリアはちょっとレトロです。この「ちょっと」というのがミソで、姉弟のちょっとズレた感じがよく表現されています。ケータイもスマホじゃなくてガラケーなのが良いですね。小野寺家は全体的に温かみがあって和む感じ。おばあちゃんちみたいな。こういう雰囲気って実際は出そうと思ってもなかなか出せないし、住んでる人の性格が出てると思う。
この映画がハッピーエンドなのかバッド(というかサッド)エンドなのかの判断は、2人の心境の変化をどう想像するかによるところです。まあ少し歪かもしれないけど、こういう生き方が肯定されてもいいよなあ。じっくり見るというよりは、だらっとした気持ちで見た方が楽しめる映画です。どうぞ肩の力を抜いてご鑑賞ください。
[Photo: © 2014 『小野寺の弟・小野寺の姉』製作委員会]
舞台版のDVDもあり。
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